毎日電車で4,50分かけて通学するLyonの街は美しい。
いつもはTramを使わず徒歩で通学する道。
歩きながら橋の上から見るRhone川はそれはまた美しい。
火曜日、電車が遅れたためいつもは使わないTramに乗る。
遅刻しそうな時間だったため、これまたいつもは使わない番号のTramに乗る。
発車して3分くらい。Tramが橋を渡ろうとした瞬間、女性の叫び声とともにTramが急停車した。
私が座っている側の窓から動かず血を流している女性が横たわっているのが見える。
恐怖で吐き気がする。
この日は一日このことが頭を離れなかった。
ふと大学時代に授業で読んだJames Joyceの" A painful case" が頭をよぎった。
自分が乗っている乗り物が何か、ましてや人を轢くなんて場面に遭遇したことがない。
この女性にも愛する家族、愛する人、そして彼女を取り巻く大勢の人がいる。
彼女が過ごしてきた全ての思い出がこの身体に詰まっている・・・・。
やるせない気持ちと、そして何があっても被害者にも加害者にもなってはいけないのだと強く感じた一日だった。